装着タイプガイド

イヤホンの装着タイプ比較ガイド
5種類の違いを徹底解説

イヤホンの装着タイプは音質・遮音性・装着感を大きく左右する、製品選びの最重要ファクターの一つです。当サイトのデータベース(1,000以上製品以上)には5種類の装着タイプが登録されています。それぞれの構造的な違いと、どんな人・シーンに向いているかをデータとともに解説します。

装着タイプ一覧比較

まず5種類の装着タイプの主要な違いを一覧で把握しましょう。当サイトのデータベースから集計した製品数・平均価格・平均EarScoreも併記しています。

装着タイプ 製品数 平均価格 平均EarScore 遮音性 音漏れ
カナル型 2,341 約36,200円 58点 高い 少ない
インイヤー型 284 約4,800円 53点 低い やや多い
オープンイヤー型 168 約11,700円 60点 なし 多い
骨伝導型 61 約14,000円 51点 なし やや多い
オーバーイヤー型 935 約61,600円 57点 非常に高い 少ない

カナル型が全体の約60%を占める圧倒的な主流ですが、近年はオープンイヤー型が急成長しています。特にオープンイヤー型はEarScore平均60点と、カナル型を上回る高い評価を得ている点が注目に値します。新しい装着タイプに各メーカーが力を入れている結果と言えます。

カナル型(耳栓型)

イヤーピース(シリコンやフォームチップ)を耳穴に挿入して密閉するタイプ。現在のイヤホン市場で最も製品数が多く、2,341製品が当サイトに登録されています。

構造と仕組み

カナル型は外耳道(耳の穴)にイヤーピースを挿入し、物理的に密閉空間を作ることで音を伝えます。この密閉構造により、外部のノイズを遮断しながら低域の再現性を高めることができます。さらにANC(アクティブノイズキャンセリング)との相性が非常に良く、物理的な遮音+電子的なノイズキャンセリングで最高レベルの静寂を実現できます。

メリット

  • 高い遮音性: イヤーピースの密閉効果で外部ノイズを-20〜-30dB低減。ANC搭載モデルは搭載率約14%(314製品)
  • 優れた低音再現: 密閉空間により低域の漏れが少なく、迫力のある低音を楽しめる
  • 豊富な選択肢: 2,341製品と圧倒的な品揃え。2千円から10万円以上まであらゆる価格帯をカバー
  • 音漏れが少ない: 電車やオフィスなど公共の場でも周囲に迷惑をかけにくい

デメリット

  • 圧迫感・閉塞感: 耳穴に挿入するため、長時間の使用で違和感や疲労感を感じる場合がある
  • イヤーピースの選定が重要: サイズが合わないと遮音性・音質が大幅に低下。S/M/Lの複数サイズを試す必要がある
  • 外の音が聞こえにくい: 遮音性が高い反面、自転車走行や屋外ジョギングでは安全上の注意が必要
  • 蒸れやすい: 密閉構造のため、夏場や運動時は耳の中が蒸れやすい

代表的な製品

SONY WF-1000XM5 EarScore 99 約26,200円
Technics EAH-AZ100 EarScore 95 約38,500円
Anker Soundcore Liberty 5 EarScore 89 約12,900円

向いている人: 通勤・通学で電車を使う人、音楽を集中して楽しみたい人、ノイズキャンセリングを重視する人。最も汎用性が高いタイプです。

インイヤー型(開放型)

耳の入り口(耳甲介)に引っかけるように装着するタイプ。AirPods(第1〜4世代)やEarPods が代表的で、284製品が登録されています。

構造と仕組み

インイヤー型は耳穴を密閉せず、耳の窪みにフィットさせて装着します。イヤーピースがないため「着ている感覚が少ない」のが特徴です。耳穴との間に隙間ができるため、外の音が自然に聞こえます。一方で、この隙間から低音が逃げるため、カナル型と比べて低域の量感は控えめです。

メリット

  • 軽い装着感: 耳穴に挿入しないため圧迫感がなく、長時間装着しても疲れにくい
  • 外の音が自然に聞こえる: 周囲の状況を把握しやすく、日常使いに安心
  • イヤーピース不要: サイズ選びの手間がなく、衛生面でも管理が楽
  • 手頃な価格: 平均価格約4,800円と、5タイプ中最も安い。有線モデルは数百円から入手可能

デメリット

  • 遮音性が低い: 外部ノイズの遮断がほぼできず、騒がしい環境では音楽が聞こえにくい
  • 音漏れが多い: 密閉されていないため、音量を上げると周囲に音が漏れやすい
  • ANC搭載率が低い: 284製品中わずか10製品(約3.5%)しかANCを搭載していない
  • 低音が弱い: 物理的に密閉できないため、低域の迫力ではカナル型に劣る
  • 落ちやすい: 耳の形状によってはフィットせず、激しい運動では落下の可能性がある

代表的な製品

Apple AirPods 4(ANC搭載) EarScore 83 約23,800円
HUAWEI FreeBuds 5 EarScore 75 約16,400円
Apple EarPods USB-C EarScore 68 約2,700円

向いている人: カナル型の圧迫感が苦手な人、周囲の音を聞きながら音楽を楽しみたい人、Apple EarPodsに慣れていてその装着感が好きな人。

オープンイヤー型

耳を完全に塞がず、耳の近くにスピーカーを配置するタイプ。SONYのLinkBudsシリーズ(穴あき構造)や、耳に掛けるフック型など形状は多様です。168製品が登録されており、近年急速に製品数が増加しているカテゴリです。

構造と仕組み

オープンイヤー型には主に2つのアプローチがあります。一つは耳の上部に引っかけて耳穴の近くにスピーカーを配置する「イヤーフック型」、もう一つは耳たぶやこめかみ付近に固定する「クリップ型」です。いずれも耳穴を物理的に塞がないため、外の音と音楽を同時に聞くことができます。

メリット

  • 耳穴を完全に開放: 周囲の環境音が100%聞こえるため、屋外でのスポーツや自転車走行でも安全に使用可能
  • 長時間装着の快適さ: 耳穴への負担がゼロで、テレワークの長時間装着にも最適
  • 高い平均EarScore: 平均60点は5タイプ中最高。メーカーが最新技術を投入している成長カテゴリ
  • ながら聴きに最適: 家事、散歩、オフィスワークなど、音楽を「BGM的に」楽しむ使い方に向いている

デメリット

  • 音漏れが大きい: 構造上、音漏れは避けられない。電車内やオフィスでは音量を控えめにする必要がある
  • 遮音性がない: ANC搭載はわずか1製品。騒がしい環境では音楽が聞こえにくい場合がある
  • 低音の不足: 密閉構造がないため、低域の迫力はカナル型に大きく劣る(一部ハイエンドモデルは改善傾向)
  • 平均価格がやや高め: 約11,700円。新しいカテゴリゆえ低価格帯の選択肢がまだ少ない

代表的な製品

オープンイヤー型は急成長カテゴリのため、各メーカーから個性的な製品が続々と登場しています。SONY LinkBuds(リング型ドライバー)、Shokzの耳掛け型、ambie(耳たぶクリップ型)など、アプローチの多様性がこのカテゴリの魅力です。

向いている人: 屋外スポーツをする人、テレワークで長時間装着する人、「ながら聴き」を重視する人、カナル型が合わない人。

骨伝導型

こめかみや頬骨に振動子を当て、骨を通じて内耳に音を伝えるタイプ。Shokz(旧AfterShokz)が市場をリードしており、61製品が登録されています。

構造と仕組み

通常のイヤホンは空気の振動(気導音)で鼓膜を震わせて音を伝えますが、骨伝導型は骨の振動(骨導音)で直接内耳の蝸牛に音を伝達します。耳穴を全く使わないため、耳の健康に最も優しい装着タイプです。多くのモデルはネックバンド型で、こめかみ部分に振動子を配置します。

メリット

  • 耳穴を完全に開放: 外耳道を一切使わないため、耳の疲れや蒸れとは無縁
  • 外の音が完全に聞こえる: ランニング中の車の接近音や自転車のベルなど、安全面で最も優れる
  • スポーツに最適: 汗による蒸れがなく、激しい運動でもずれにくいバンド形状
  • 難聴リスクの低減: 鼓膜を介さない音の伝達方式のため、大音量による鼓膜へのダメージリスクが低い

デメリット

  • 音質の制約: 骨伝導方式は低音の再生が苦手で、カナル型やオーバーイヤー型と比べると音質に限界がある。平均EarScore 51点は5タイプ中最も低い
  • 音漏れ: 振動子の振動が周囲にも伝わるため、静かな環境では音漏れが気になることがある
  • バンド形状の制約: ネックバンド型のため、帽子やヘルメットとの干渉、寝転がっての使用が難しい
  • 価格帯がやや高め: 平均約14,000円。低価格帯の選択肢が限られる

代表的な製品

オーディオテクニカ ATH-CC500BT EarScore 72 約11,700円
オーディオテクニカ ATH-CC500BT2 EarScore 71 約13,700円
グリーンハウス GH-OWSE-BK EarScore 70 約9,100円

向いている人: ランニングやサイクリングが趣味の人、耳の健康を重視する人、屋外で安全に音楽を聴きたい人。音質よりも安全性・快適性を優先するシーンで最適です。

オーバーイヤー型(ヘッドホン)

耳全体を覆う大型のイヤーパッドを持つヘッドホン型。935製品が登録されており、カナル型に次ぐ第2のカテゴリです。平均価格約61,600円と、プレミアム志向の製品が多い点が特徴です。

構造と仕組み

オーバーイヤー型は大口径のドライバー(平均27.7mm以上、一部は40〜50mm)を搭載し、耳全体を覆うイヤーパッドで密閉空間を作ります。大口径ドライバーは低域が出しやすい傾向がありますが、音質や音場はチューニング・ハウジング設計など総合的な要因で決まります。密閉型(クローズド)と開放型(オープン)の2種類があり、密閉型は遮音性に優れ、開放型は広がりのある自然な音場が特徴です。

メリット

  • 最高レベルの音質: 大型ドライバーにより、低域から高域まで余裕のある音の再生が可能。オーディオファイルやスタジオモニター用途でも活躍
  • 非常に高い遮音性: イヤーパッドの物理的な遮音+ANCで最も高い遮音性を実現。ANC搭載率は約17%(159製品)
  • 長時間装着の快適性: 耳穴に負担をかけず、質の高いイヤーパッドなら数時間の連続使用も快適
  • マイク品質が高い: ブームマイクを搭載可能なため、テレワークやゲーミングでの通話品質に優れる

デメリット

  • 携帯性の低さ: サイズが大きく、持ち運びにはケースが必要。外出先での使用はやや不便
  • 重さ: 200〜400g程度と、イヤホンの5〜10倍の重量。首や頭への負担になることがある
  • 蒸れやすい: 特に密閉型は夏場にイヤーパッド内が蒸れやすく、不快に感じる場合がある
  • 価格が高め: 平均約61,600円と5タイプ中最も高い。ハイエンドモデルは10万円を超える
  • 外では使いにくい: 見た目の大きさや髪型への影響から、電車内や街中での使用を避ける人も多い

向いているシーン

自宅でのリスニング、スタジオでの音楽制作、長時間のテレワーク、ゲーミングなど、「室内で腰を据えて使う」シーンに最適です。出張時の飛行機移動ではANC搭載ヘッドホンが圧倒的な快適さを提供します。

向いている人: 音質を最優先する人、自宅メインで使う人、テレワークで長時間通話する人、ゲーマー。持ち運びよりも音質と快適性を重視する方に最適です。

シーン別おすすめタイプ

利用シーンに応じた装着タイプの選び方を整理します。

利用シーン 最適タイプ 次点タイプ 理由
電車通勤 カナル型 オーバーイヤー型 ANC+遮音性で騒音をカット。音漏れも少ない
ランニング 骨伝導型 オープンイヤー型 安全性最優先。汗にも強い
テレワーク オープンイヤー型 オーバーイヤー型 長時間装着の快適さ。来客にも気づける
音楽鑑賞(自宅) オーバーイヤー型 カナル型 大型ドライバーで最高の音質体験
カフェ・図書館 カナル型 -- 音漏れの少なさが最重要。ANC付きが理想
自転車通勤 骨伝導型 オープンイヤー型 道路交通法上、耳を塞ぐイヤホンは禁止の自治体も
散歩・家事 オープンイヤー型 インイヤー型 ながら聴きに最適。軽い装着感で邪魔にならない
飛行機移動 オーバーイヤー型 カナル型 最強のANC性能でエンジン音を大幅カット

複数タイプの使い分けもおすすめ

「通勤用にカナル型+自宅用にオーバーイヤー型」「電車用にカナル型+ランニング用に骨伝導型」のように、シーンに応じて使い分けるのも賢い選択です。メイン機にしっかり投資し、サブ機はコスパ重視で選ぶと、トータルの満足度が高くなります。

装着タイプ選びで失敗しないコツ

  • 「外で使うか、家で使うか」で大きく分かれる。外出中心ならカナル型、自宅中心ならオーバーイヤー型が安定
  • カナル型の圧迫感が苦手なら、フォームタイプのイヤーピースに交換すると改善する場合がある。それでもダメならオープンイヤー型を検討
  • 安全性が求められるシーンでは、迷わず骨伝導型かオープンイヤー型を選ぶ。命に関わる判断には妥協しない
  • 耳の形は人それぞれ。可能であれば家電量販店で試着してからの購入をおすすめします

装着タイプが決まったら

自分に合った装着タイプが分かったら、当サイトのツールで最適な製品を見つけましょう。カテゴリページではタイプ別に製品をEarScore順に比較できます。